コンセプトを決める
まずは、美容室のコンセプトを決めましょう。コンセプトとは、どのような人に利用してもらいたいのかということです。 ターゲットを絞って内装を考えることはとても重要です。ナチュラル系やシンプル系の内装は、美容室で人気の高い雰囲気です。 他にも、高級感ある内装や、カラフルな内装、アンティーク系など、個性的な雰囲気も注目されています。
非日常を体験できる空間に
美容室に来るお客さんは、イメージチェンジしたいと思っていたり、おしゃれになりたい、綺麗になりたいというような想いを持って訪れています。 そのようなお客さんが、来てよかったと思えるのは、非日常を味わえる空間です。非日常の空間で、イメチェンできれば、気分も明るくなります。このお店なら素敵になれそうだな~と思えるような空間をつくることが大事です。非日常の空間は、何度も訪れたいと感じやすいです。ゴージャスな雰囲気や高級感のある雰囲気にすると、非日常を演出しやすいでしょう。
流行を取り入れる
おしゃれな美容室は、流行りを取り入れています。流行りが取り入れられていると、トレンドに敏感というイメージがあるので、ヘアスタイルでもトレンドを取り入れてくれると思ってもらえます。 ただし、流行りなら何でも取り入れればよいというわけではありません。サロン全体のバランスを考えて、映えを意識しながら取り入れるようにしましょう。なんでもかんでも取り入れると、統一感が無くなるので注意してください。
設置する備品の統一
美容室では、セット椅子やセット面、シャンプー台、受付カウンターなど備品が沢山あります。これらの備品に関しても、内装と統一感を出す必要があります。照明器具も、内装に合わせて選ぶ必要があるでしょう。デザインとコンセプトに合った備品を選んでください。
植物を取り入れて
ナチュラル系や温かみのある雰囲気の美容室では、観葉植物を取り入れると、癒し効果をプラスできますし、空間を綺麗にしてくれるのでおすすめです。雰囲気に合った植物を取り入れると、よりおしゃれな空間になるでしょう。
空間作りの前に最低設備の確認
電気容量の確認
美容室は通常の会社事務所などよりかなりの電気容量が必要となります。 お客様からの予約がたくさん入って、施術スペースが満席になることもあると思います。
各席で一気にドライヤーやヘアアイロンを使えば、ブレーカーが落ちてしまうことも考えられます。
ドライヤーを同時多発で作動させてもブレーカーが落ちない電気容量が必要になります。
物件選びをする際にイメージだけで物件を決めてしまうことがないように まずは選んだ物件にどれだけ電気容量が供給されているかの事前に確認をしましょう。
後々、物件に電気容量が足りないことがあっても結果的に電気容量を上げるために多額の工事費用がかかってしまいます。
美容室では空調設備も大きいものが必要になります
空調はあらかじめ設置されている物件もあれば、設置されていない物件もあります。
設置されていなければ開業者様の予算で新しく設置しなくてはいけません。
エアコンは非常に予算がかかるものです、 エアコンの本体以上に費用がかかるのが設置工事です。
費用は室外機を取り付ける場所にもよりますが、室外機置き場が店舗のすぐ横にあればその分設置費用は少ないですが、店舗の屋上に室外機置き場があった場合、設置費はおのずと増えます。
選んだ物件にエアコンが設置されていたとしても慎重な検証が必要です。
まず、区画内に設置されているエアコンが物件の付帯物なのか?それとも残置物なのか? これは非常に重要な確認ポイントです。
付帯物とは、大家さんの所有であり故障したら大家さん負担で修理してくれます。しかし、残置物なら故障した修理費は入居した開業者様負担となります。
一見、物件にエアコンが残っていれば店舗工事が安く抑えられると思いがちですが、 残置物だった場合は危険性を慎重な判断をすべき必要があります。
ガス設備の確認
美容室をオープンする以上ガス設備も大切なチェックポイントです。給湯設備を導入することは必ず必要になります。
その為のガスが引き込まれていないと、ここでまたガス設備を引き込む為の費用がかかってしまいます。 最近では物件によってオール電化の為のガス設備が建物内に引き込まれていないこともあります。
こういった場合、都市ガス、プロパンガスを店舗区画内に個別で引き込んでいいか、大家さんに指示を仰がなければいけません。
もし、引き込んではいけないとなれば給湯も電気容量でまかなわなければならないのです。
水道・給排水設備の確認
「シャンプーの際に水圧が出ない」こういった水道供給問題は、実際に美容室をオープンされてる方の大きな悩みです。
この水圧問題は物件区画内に引き込まれている水道管が関係しています。
一般的ですと水道管が13mmまたは25mmといった具合に外部と物件区画内を繋ぐ水道管の直径です。
選んだ物件が13mmと細かった場合は慢性的に水圧が出ないことになります。
一方で25mmであれば水圧問題は解消されると考えましょう。
※水道管の組み替え工事は膨大な費用がかかります。 水道管が13mm供給だった場合は、美容室をオープンするには注意しなければいけない物件だと捉えていいでしょう。
居心地の良さの表現方法
美容室は施術に何時間もかかるので「居心地」、「居住性」はとても大切です。
「あの美容室落ち着かないな」と思われてしまうと、どんなに良い技術、サービスがあってもお客様は離れていってしまいます。
そうならないためには施術スペースとシャンプースペースの照明の強弱、施術スペースの距離感などを慎重に考えていく必要があります。 光の使い方は特に大切です。
光の強さ、種類によって人の美しさは変わります。 グレア(視界に入り込む不快な光)が発生しないように気を付けます。
施術する美容師さんの手元の視認性だけではなく、必ずお客様の顔に不自然な影が出来ないよう鏡に映るように光を作っていきます。
カットをする手元は視認性の高い白色系の光、鏡に映るお客様の顔は肌の色を美しく見せる光を当て込むと良いです。
お店に太陽の光が入るようであれば、顔に影が出やすくなるのでレイアウトの際は気をつけましょう。
自然だけど普段より少し美しく見える絶妙な光のバランスを取ることによって居心地の良さ、満足へと繋がります。
またお客様の客層とどんな美しさを求めるかも重要です。 例えば昼間に美しく見せたい20代〜30代の女性層が中心であれば上記でもお伝えさせていただいた「光」を使います。自然光をたっぷり入れて柔らかい光の環境を再現する方が効果的です。
逆に夜のお仕事をしているお客様をターゲットにする場合は、作り込んだ照明計画や暗めのシャンプールームにするなど、いつもの環境に近い雰囲気を用意するのが効果的です。
重要なのはお店でだけ美しいという体験ではなく、お店を出て本来の場所に戻った時に美しいと思えるかです。
美容室マジックじゃないですが、お店だけ美しいと思うように過剰に演出するのではなく、お客様が日常に戻っても美しいと思えるような体験そのものをデザインでお手伝いしていくことが重要です。